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近視抑制治療

近年、タブレット端末の使用や学習環境の変化に伴い、近視が進むお子さんが急増しています。近視が進行すると、単に遠くが見づらくて困るだけでなく、将来緑内障や網膜剥離などの眼疾患リスクが上がることが知られています。当院では、近視が進みやすい学童期(特に小、中学生)のお子さんを対象に、近視抑制治療について随時指導を行っています。

近視が進む理由

目はカメラの構造と似ています。遠くのものを見た時に、目の奥にある網膜(フィルム)にピントが合う状態が正常ですが、近くのものを見る場合は水晶体(レンズ)でピント調整をしています。お子さんはピント調整能力が高いため、遠くが見える方は近くもよく見えます。年齢が高くなり、このピント調整能力が低下して近くのものが見えづらくなるのがいわゆる老眼です。ずっと近くのものばかり見ていると、水晶体でピントを合わせなくても楽に見えるように目の奥行き(眼軸長)が伸びていきます。いわゆる適応変化なのですが、学童期のお子さんはまだ発達段階なのでこのような変化が起こりやすく、大人になると眼軸長は伸びづらくなります。近視が進むと近くは見やすくなりますが、遠くにピントが合わせられなくなり、メガネやコンタクトレンズが必要になってきます。近視の進行は、このような生活習慣の影響のほかに、民族的特徴(アジア人は近視になりやすい)、遺伝的影響(ご両親が近視かどうか)も受けます。

近視が進まないようにするには

  • 近くを見るときの注意・・不要な近業作業(ゲームなど)を控える。近くのものを見る際には明るい所で姿勢よく、30㎝以上離して見る、30分近くを見たら30秒遠くを見て目を休ませる(30-30-30ルール)
  • 屋外活動を増やす・・2時間以上屋外で過ごすと近視の進行が抑制されることがわかっています。
  • 低濃度アトロピン点眼(リジュセアミニ点眼®)・・ピント調整を抑える目薬です。
  • その他の治療・・特殊なコンタクトレンズ、メガネによる治療等

リジュセアミニ点眼とは

リジュセアミニ点眼は、お子さんの近視の進行を抑制することを目的とした、低濃度アトロピン(0.025%)を主成分とする点眼薬です。通常、眼科で使用されるアトロピン点眼液(1%)は、瞳孔を広げる「散瞳(さんどう)」やピント調節機能を休ませる作用が強く、眩しさや近くの見えにくさが強く出ますが、リジュセアミニは濃度を低く抑えることで、これらの副作用を極力軽減しています。

近視の多くは、眼球の前後径(眼軸長)が本来よりも伸びてしまうことで、網膜の手前でピントが合ってしまう「軸性近視」です。リジュセアミニ点眼は、この眼軸長の伸びを抑える働きが期待されており、毎日寝る前に1回点眼することで、長期間にわたって近視の進行スピードを緩やかにすることを目指します。

リジュセアミニ点眼の特徴

  • 副作用が少ない・・低濃度(0.025%)であるため、日中の眩しさや手元のぼやけがほとんど気になりません。
  • 手軽な使用方法・・毎晩1回、就寝前に点眼するだけなので、お子さんの負担が少なく継続しやすい治療です。
  • 長期的な安全性・・海外の多くの研究データにより、長期間の使用においても安全性が確認されています。
  • 防腐剤フリー・・一回使い切りのユニットドーズタイプ(ミニボトル)のため、防腐剤が含まれておらず、デリケートな目にも優しく設計されています。

リジュセアミニ点眼の施術(治療)について

治療の対象となるお子さん

一般的に、6歳から15歳前後の学童期のお子さんが対象となります。近視が進行している段階で開始することで、高い効果が期待できるからです。ただし、近視の程度や眼の状態によっては、対象年齢外でも治療を検討する場合があります。

治療の継続期間

リジュセアミニ点眼は、数日で効果が出るものではなく、少なくとも2年間は継続することが推奨されています。眼の成長が落ち着く中学生や高校生頃まで点眼を続けることが一般的です。途中で自己判断で中止してしまうと、抑制されていた近視が再び急速に進む可能性があるため、定期的な通院が必要です。

点眼の方法とルール

毎晩寝る前に、両方の眼に1滴ずつ点眼します。一度使い切りのタイプであれば、開封したその日のうちに使い切り、残った液は破棄するようにしてください。点眼後は、薬液が涙道を通じて全身に回るのを防ぐため、しばらくの間、目頭を軽く押さえるのが効果的です。1日に何回も点眼すると副作用(眩しさや手元の見づらさ)が出ることがあるためおやめください。

料金について

リジュセアミニ点眼による近視抑制治療は、2026年5月までは健康保険が適用されない自由診療で、診察料(検査料含む)にも料金がかかっていましたが、保険改正により、2026年6月からは診察や検査には保険が適応されることになりました。点眼薬は選定療養の扱いとなるため、実費負担が必要です。

項目名 費用の目安(税込) 備考
初診時、再診時 診察検査料 保険診療 18歳未満の方は負担なし
リジュセアミニ点眼(1箱/30本入)(初回) 4,000円 約1ヶ月分となります

リジュセアミニ点眼(1箱/30本入)×3(2回目以降)

12,000円 約3ヶ月分となります

※点眼価格は変動する可能性があります。窓口または診察時にご確認ください。

近視抑制 リジュセアミニ点眼についてのよくある質問

Q1. どのくらいで効果が現れますか?

A1. 点眼を始めてすぐに視力が回復するわけではありません。この治療の目的は「近視の進行を遅らせること」です。効果を判定するためには、数ヶ月から数年単位での経過観察が必要です。定期的な検査で眼軸長の伸びを確認していきます。

Q2. 副作用で学校生活に支障は出ませんか?

A2. 低濃度であるため、多くの患者さんは翌朝には薬の影響が消えています。稀に朝起きたときに少し眩しさを感じたり、手元の文字が見えにくかったりすることがありますが、日常生活に大きな支障が出ることはほとんどありません。症状が気になる場合は、点眼のタイミングや回数を調整することがあります。

Q3. 他の目薬や眼鏡と併用できますか?

A3. アレルギー性結膜炎の目薬など、他の点眼薬との併用は可能です。点眼の間隔を5分から10分程度あけて使用してください。また、近視がある程度進んでいる場合は、適切な度数の眼鏡を常用しながら点眼治療を継続することが基本となります。

Q4. 大人になってからでも効果はありますか?

A4. リジュセアミニ点眼は、主に眼の成長期にあるお子さんを対象とした治療です。20歳を過ぎて眼の成長が止まった大人の方には、眼軸長を抑制する効果は期待できないため、当院では積極的な推奨はしておりません。

 

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